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自分を守るために「ノー」と言う技術の習得
人生を豊かにするためには「ノー」と言うことが必要
ツレと一緒に生活するには、パワーバランスを崩さずに対等でいる必要があります。
そのために家事は極力省きます。
そしてツレへの支援も極力人の手を借りて、仕事もできれば時短で効率的にこなしていく必要があります。
となると、これまでの「自分が!自分が!」と自分でやらないと気が済まない癖を変えていかないといけません。
平穏な生活を維持するのには、自分を守る必要があるのです。
よって必然的に必要のないことには「ノー」を言う必要があります。
時間だけではなく、エネルギーも有限です。
限りあるそれらの資源を有効に使うためには断る必要があるのです。
人生改造宣言
「人生改造宣言」タレン・ミーダナー著(税務経理協会)を取り上げます。
コーチングに基づき、豊かな人生を送るための課題が108提示されている本です。
そのなかの課題の一つに「頻繁にノーと言う」項目があります。
そこを改めて読んでみると、このように書いてありました。
(断るときには)ちゃんと理由を言わなければならないと思っていました。
嘘はつかなくてもいいし、理由や根拠を言う必要もないのだと言いました。やりたくないというだけで十分な理由なのです。
「人生改造宣言」タレン・ミーダナー著(税務経理協会)
「ノー」と言えるようになるということは、自分にとって必要でないと感じるものを遠ざけて、心からやりたいと感じることを人生の中で増やしていくための意思表示です。
自分を守るためには避けて通れないコミニュケーションスキルだと私は考えています。
と言いつつ…昨年組合の役員になりました。
役員は皆やりたがらないもので、責任感の強い人や気の弱い人に押し付ける構図が組合の中でできています(のように見える)。
役員は月に一度会合に参加しないといけないのですが、1人にそれを押し付けるのはフェアーではないと思います。
やりたくないことですが、その状況は見るに耐えられないので昨年私はこの役を引き受けることにしました。
しかし会合には参加しても、それ以外の活動にはきちんとノーと言いました。
やりたくないことにはノーと言う。
そして角を立てずにそれが言えるようになったら上級者ですね。
数ヶ月ぶりに治療に向かう直前で…
久々にツレと針治療に向かうことになった日の朝。
車に乗り込んでエンジンをかけようと思ったら愛車がうんともすんとも言いません…。
我が目を疑い何度もツマミを回すも愛車は動かず。
とうとう現実を受け入れることになりました。
壊れたのです。
愛車が…。
こうなったらJAFを呼ぶしかありません。
そして数ヶ月ぶりの治療はキャンセルすることになりました。
ツレのせっかくの治療が飛んでしまいました。
やってきたのは声の大きな作業員さん。
JAFさんに電話をすると、近くでたまたま作業に当たっていた作業員さんがいたようで、その方が我が家に来てくださることになりました。
結論を言うと、ただバッテリーが上がっていただけでした。
ブースターケーブルを取り付けてエンジンをかけるとあっさりと愛車が動き始めました。
しかし4年以上経った愛車のバッテリーは限界を迎えており、新しく買い換えた方が賢明とのこと。
そして任意保険の会社との関係で、今では4000円を割引でJAFでバッテリーが購入できるという特典がついていました。
バッテリーを本当に買い換えたほうがいいのかどうかわからないままでしたが、出先でまた動かなくなってしまう恐怖心が勝って購入を決断しました。
なんだかこの作業員さんに押し切られっぱなしで、どんどん話が進んでいきます。
それよりもこの作業員さんの声がでかくて、気合の入った大きな声で喋られるので、ご近所さん達へと晒し者になっているような気分でした。
雨天ということもあって外には作業員さんと私と父以外に人はいなかったのですが、きっとご近所さん達は私たちのやりとりに聞き耳を立てて、カーテンの隙間から覗き見ていることでしょう…なんて思うのでした。
きた、きた…。
作業員さんの乗っている車にバッテリーが載っていなかったので、ほかの最寄りの作業員さんがバッテリーを持ってきてくれることになりました。
その間のセールストークです。
なんでもJAFのアプリを携帯に取り込んだら便利ですよ!とのことで、しきりに父にそのことを勧めてくるのです。
父は明らかに困惑していました。
作業員さんはお構いなしにアプリの登録が難しければ、私が登録作業行いますよ云々、携帯を貸してください云々と言っています。
ただ親切心で言っているだけなのかもしれませんが、なぜ初対面のあなたに携帯電話を触られないといけないのか?
またアプリを登録すれば得をするのは充分に分かるのですが、それは私たちが自分で決めることです。
ぐいぐいくるその感じ。
傍で見ていてイライラしてきました。
父と作業員さんのやりとりを保険会社と電話をしながら横目で見ていたのですが、電話を切った途端に作業員さんが私に話しかけてきました。
「アプリの登録を行いますので携帯を貸していただいてもいいですか?」
はっ?
なんと私に携帯電話を貸せとのこと…。
「あっ…いいです…。いま携帯の容量いっぱいなんでアプリ入れられないです(正確には入れたくない)。あと、まぁ…入れるかどうかは自分で決めるんで…(本心はこちらの方が大きい)」
静寂に包まれました。
「容量ってどのぐらい、くったかな…」
なんてことを作業員さんが呟いていましたが完全に無視。
その後は最寄りの作業員さんも駆けつけて、手際良くバッテリー交換を済ませて頂きました。
飛び出してくる御近所さん。
JAFの作業車が去っていくと、それと共に反対側からご近所さんが走り出してきました。
車内から私はそれを見ていたのですが、それには父が応対。
「一体何があったのですか?」と聞かれたとのこと。
やはり晒し者になっていたようです…。
長年にわたって人に対して「ノー!」が言えなかったのですが、今回はJAFの作業員さんの申し出を断ることができました。
それができたことが私にとっては大きな収穫でした。
作業員さんには申し訳ありませんが、断るということがいまの私には必要なのです。
彼には今回その相手(犠牲?)になってもらいました。