YouTubeと漫画で衝撃を受ける
とある車いすユーザーの夫婦について
ツレとの同居生活を意識するようになってから、YouTubeで車いすユーザーの方のチャンネルを閲覧するようになりました。車いすの人がいかに施設ではなく1人で地域において生活をするか、また結婚生活をおくっているか。その工夫の仕方を参考のために学ばさせてもらっています。
ツレとの同居に不安を感じています。しかしよく考えてみると現在ツレは実家住まいといっても父親と2人で生活をしており、父親も不在の時が多く、ヘルパーさんに週に4回入浴介助に来てもらうだけで、それで生活にはことが足りているわけです。僕の頭の中で、ツレとの生活はすごく大変なことというハードルが大きくなっているだけで、2人っきりの生活は現在の実家での状況をみると不可能ではないと思うようにしています。
車いすユーザーの方のYouTubeでは生活情報や福祉サービスの制度について、また治療法などの情報を求めているのですが、見ることによって「できるのかもしれない・・」と意識を変えていくことも動画を視聴する目的となっています。
その中に奥様が車いすユーザーで旦那が健常者という夫婦の動画を見ることになりました。サムネイルを見ると結婚に至るまでの馴れ初めということが書かれていました。内心ではやや抵抗があります。僕の中で奥様が障害をもっていて、その人の旦那になる人は立派な人格を持った人という認識があり、自分と比較して劣等感に陥る可能性があると思い、今まではそのような動画は避けてきました。しかし、我々の関係が頭打ちとなっているので、状況を少しでも変えていくためには意識を変えていく必要があると思ったのです。
衝撃的な言葉
動画の内容は視聴者からの質問に答えるというQ&A方式で、結論を言うと・・まっ、立派でしたよ・・。旦那さんもそのお母様も・・。結婚生活が10年以上経過しており2人の間には子供がひとり。
将来に対して旦那さんは良い意味で楽観的というか、旦那さん自身が言っていたことですが、あまり考えないそうです。なんだか予想通りの解答です。やはりある程度の楽観的な思考って必要なのですね。僕の場合は症状が進行する姿や、いく場所がなくてツレが家の中に引きこもる姿、そして仕事と家事でてんてこ舞いになった僕がブチギレている様子が頭に浮かんでしまうのですが、このような将来に対する悲観的な考えってあまり役に立たない気がします。
そして何より驚いたのが、「対等な関係が保てますか?」という質問に対しての2人の解答でした。
私が何かお願いしても嫌そうな素振りって見せないですよね・・。
うえから目線で関わってくることが本当にない・・。
(以上が奥様の台詞)
彼女のこの状態って特殊なことだと思ってなくて、彼女はこういう人って認識だから・・。
(台詞は相当アレンジしましたが、旦那さんの解答はほぼこの通りです)
10年以上生活を共にして奥様からこのような発言が出てくるということは本当に上から目線で奥様のことを見ていないのだと思います。ああ・・・もう気が遠くなりそうです。
一方で僕は、ツレとの東京旅行の帰りに新幹線の中で寝ていたときに起こされて「トイレに行きたい・・」と言われてブチギレたことがあります。自分でもびっくりするぐらいに怒り狂いました。機嫌の悪さが直らずに駅員さんに対しても素っ気無い態度をとってしまう始末。
そのほかにもツレからの「○○とって・・」「レンジでチンして・・」「化粧品とって・・」というお願い攻勢で苛立つことが日常的にあるわけです。心の中で、ツレの面倒を見てやっているという認識がありますし、いかに2人のパワーバランスを対等にするかで頭を悩ませることが多いのです。
ツレに申し訳ない気持ちになって、居ても立ってもいられなくなって珍しく僕の方から電話をしました。

そして、YouTubeの内容をツレに伝えることにしました。

仏様とツレが言ってくれてホッとしました。当たり前のことではなくツレから見ても旦那さんは稀有な存在のようです。
ここで比較して落ち込んでしまっては進歩がありません。
しっかりと不機嫌になり、しっかりと上から目線でツレを見下ろし、そして何度も別れようとすることもある。でも一緒にいたいという思いもある。ツレからしたら良い迷惑な点が多いのですが、そうでありながら少しでも関係を良好にしていこうと努力はする。僕はゲスなのですが、世の中には立派な人ばかりではなく、このように未熟な人間でも寄り添っていける関係が築けていけばそれはそれで貴重な存在だと思うのです。
だから比較するのはヤメました。落ち込んでも良いことはありません。ツレも僕もこの性格のままで楽しい人生を築いていこうと思います。
↓YouTubeの方の著書です。他にも本を出しており、2冊ともタイトルに「大丈夫」をつけています。ということは平気に見えても「大丈夫」ではない時期がこの方達にもあったということなのでしょう。