自分を守るために断る
恥と失態
信号待ちをしていると、真後ろからおじさんの渋く唸るような声が聞こえてきました。
「あ、でぃ、だす」すぐには気付かなかったのだが、何度も言うのです。「あ、でぃ、だす・・・・・あ、でぃ、だす・・・。」それでやっと気付きました。私の背負っているリュックが「adidas」だったのです。
他にも結構な人が同じように信号待ちをしていたのでいい迷惑です。いい笑い者です。おじさんは目に入ったものを声に出す変わった癖があるのかもしれません。
さて職場の同僚達に迷惑をかけてしまいました。寝坊したのです。普段は時間にルーズな私。しかし仕事では初めてのことでした。
やけに窓の外が明るいなと思いながら目覚まし時計を見ると、短針と長針が8時を表していました。
息を呑んで起き上がった。即職場に電話。
「あ、あ、あ、でぃ、だす」
冗談です。

電話の相手は後輩でした。
「えっ!!いま起きたんですか!?」
大きな声で彼は叫んだのです。気の利かない奴です。そして皆に知られることになりました。
やることが済むと結構気持ちは落ち着いていました。もうどう足掻いても間に合わないのだから慌てても仕方がないのです。
髪って整えた方がいいかな?セットして行ったら寝坊したくせに髪をセットするゆとりがあったんかい…と思われそうだなと思いました。
そして、ゆったりと社長出勤。そして1人ずつ職員さんにお詫び行脚を行なったのです。

「起きた時焦ったじゃろ?」

「いや、ないよ…」
あ、うーん…。
なんて遣り取りをしながらも皆さん優しかった。年数を重ねるうちに私は職場で横柄な気持ちになっていました。今回の大失態で謙虚な気持ちでいようと思いました。
そもそも職場に適応できているのは皆さんのお陰です。それを忘れてはならないのです。
職場で「ノー」と言う
断ることについては、「人生改造宣言」タレン・ミーダナー著(税務経理協会)の本の中で実践項目にあげられていることは既に触れました。
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ドキドキしながら断ってみた。
目次1 断ってこその自立1.1 なぜ断れないのか?1.2 「ノー」は時間泥棒から身を守る 断ってこその自立 なぜ断れないのか? 久々に「人生改造宣言」タレン・ミーダナー著(税務経理協会)の実践です。 ...
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あれから数日経って、なかなかはっきりと断る機会がなく、遅々として本の内容が進まなかったのですが、ついに断る機会が巡ってきそうでした。
職場の同僚が作ったマニュアルがあるのですが、添削を頼まれたのです。休日出勤をすると私の机の上にその資料が置かれていました。
さて、これをどうするか?
このマニュアルを作った同僚が、「内容がちょっと分かりづらいところがある…」ということが言いにくい相手なのです。
マニュアルの中身を私はある程度知っていたので、その件に関して全く知らない同僚に代わりに見てもらい客観的な意見を聞くことにしました。
同僚A「うーん…。この部分がわからないな〜。」
ですよね〜…じゃあちょっと緊張しても言うしかないか!!
マニュアルをきちんと作成することがお客様に有益なことだと思います。逃げるのは不誠実です。というわけで、明日職場で「ちょっと、わかりずらかった!」ということをマイルドに伝えようと思います。
それでも私はノーと言う
翌朝、顔を合わせたのですがなかなか切り出せずにほかの仕事で忙しい素振りをしました。しかし、手元には思いっきりあのレジメがあるわけです。
「言おう…必ず言おう…。昼に言うか、夕方にするか…」
そして、朝のミーティングの時間が終わりそのまま仕事へと雪崩れ込んだわけです。
それから度々レジメを作った同僚と顔を合わせるのですが 内心では「いつ言お…必ず言おう…」と思いつつ、その時はその時でレジメよりその時の仕事の流れに流されているわけです。
あっという間に昼休み。その同僚と休憩時間がずれてしまい、顔を合わせることがありません。
「言おう…絶対に言おう…」
と誓ったものの夕方になる頃には私の机の上にはその他の書類が山積みになっていて、結局レジメは後回し。そして、そのまま終業時間となってしまいました。
翌日は休日出勤分の代休だったので私は仕事を休みました。そして代休あけの朝、私の机からレジメは消えていました。
結論としては、内心では自分にハッパをかけながらも言いたくなかったのでしょう…。どこかでホッと安堵している自分がいたのです。今回は失敗でした。
またノーと言ってみる
本日も「人生改造宣言」タレン・ミーダナー著(税務経理協会)の「頻繁にノーと言う」に挑戦です。
職場の先輩から飲みのお誘いがLINEでありました。その日は本当に都合が悪いこともあったので、即座にそのお誘いを断ることにしました。
断るだけだと身も蓋もないので、その翌週はどうでしょうか?と提案もしておきました。
これはスマートにお断りできた方だと思います。あと、年次休暇を取得するのも昔より躊躇なくできるようになったと思います。
この断るというのは、自分の時間を確保する。ひいては自分を大事にする行為だと思います。
今までは仕事に関しては来るもの拒まずで、苦手なものは克服する精神が強かったのですが、人生には限りがあります。やりたくないことを頑張る時間がもったいないのです。苦手なことはもうやめることにしました。
人生により楽しいことを増やしていくためにも断るということを自分のものにしていこうと思います。