目次
生活するということはお金を飛び立たせていくということ
怒涛の勢いで消えていく貯金
家賃を知らず知らずのうちに滞納していました。
5月分の支払いが滞っており、保証会社がその分を立て替えて、先週しきりにその会社から私の携帯電話に何度も連絡がありました。
親からは子供の頃に、知らない人に付いていかないことと、知らない人からの電話には簡単に出ないことという忠告を受けていたので(嘘)、着信があってもひたすら無視していると、とうとう書面による通知が来たのでした。
まあ、慌てて電話に出ますよね…。
そして、その日のうちに5月分の支払いを済ませたのでした。
そして、間髪いれずに今度は6月分の家賃の支払いです。
数日で10万以上のお金が飛んでいきました。
これに近々、車の保険の支払いというものがやってくるので、これも10万ちょっと支払わないといけません。
通帳の残金が減ることが嫌でたまらない
自分がいま通帳に残している預貯金の額を何度も計算してしまいます。
そろそろボーナスの時期なのですが、これらの支払いでだいぶ減ってしまいます。
それがとにかく嫌で嫌で…。
私はケチなのでしょうか?嫌々な気分でお金を旅立たせるのは宜しくないので、ここは気分を変えて、家賃と保険代をありがたいと思いながら支払おうと思い直しました。
家は生活の基盤です。
家が無ければきちんと生活ができません。
支払えることはとてもありがたいことなのです。
そして自動車も色々と出費はありますが、無いとツレとお出かけをして楽しい時を過ごすことができません。
このように支払いをするということは様々な恩恵を普段から受けているということですし、それはとてもありがたいことなのです…と、考えるようにしました。
ハンドサイクルで遊ぶ
というわけで、その保険代を支払う予定の車に乗って(嫌味っぽい?)、ツレと福祉装具の会社のイベントに参加してきました。
イベントの行われた島には、様々なオブジェが飾ってありました
ハンドサイクルはつまり手で動かす自転車で、車いすの前方にハンドルを装着して、そこに巨大なペダルが付いているという構造です。
ペダルを両手で回すことで車いすが動く仕組みになっています。
ちなみにツレは難病患者であり、手足に麻痺があって自力で歩くことができない車いすユーザーです。
今回で参加するのは3回目。
初回に参加した3年前は私が自転車に乗ってツレがハンドサイクルを漕いで、並走する形で自転車走行を楽しむことができました。
2年前は状態が変わり、ツレの腕の機能が低下したように見え、1年目の様に滑らかにペダルを動かすことができずにあまり楽しむことができませんでした。
病気の進行か!?と思い、あからさまに私はそのとき気落ちしたのでした。
そして今回の3回目です。
2年ぶりのハンドサイクル。
前回のこともあって私は自転車に乗るのはやめて、傍で歩いてペダルを回すのを手伝おうと思いました。
ウートフ兆候というもの
結果は、前回の時よりツレは滑らかにペダルの操作ができていたと思います。
ほっと安堵。
傾斜になると難しいのですが、平地は問題なく1人でも操作を行っていました。
普段の移動の時には私は後ろから車いすを押すので、彼女の頭頂部ばかりを見る羽目になります。
ハンドサイクルはツレと横並びになって歩くことができます。
「普通」である必要はないのですが、「普通」のカップルっぽくて歩幅が合わせられる感じが嬉しいのです。
福祉装具の会社の職員さんが付き添って二人で並んで移動している姿を写真に収めてくれました。
「この先に映えポイントがあるんですよ~」「映え…ですか?あとどのくらい先にあります?」「そうですね~2キロほどですね~」げっ!2キロ…。
頑張ってみるみるうちに赤くなる顔
ここで迷います。
私としては行きたいけど、ツレの病気は熱がこもると脳からの指令が四肢に通りずらくなって、動きが緩慢になってしまうのです。
そして、厄介なことになかなか「しんどい」とか「つらい」と言わないツレはこういう場面になると、密かに頑張ってしまう性格であるということ。
こんな時には私が様子を見ながらセーブをしないといけないのですが、映え…がしたいので、なし崩し的に2キロ先までGO!することに。
実際の写真です
天候に恵まれたこともあって、順調にツレの顔が赤くなっていきます。
「ああ、無理!」そう言って麻痺側の左手をペダルから離したので、私が左側を持って回すことにしました。
それでも頑張るツレ。
島には自転車に乗って周遊する観光客がいるので彼等は「頑張れ~!」とツレを叱咤していきます。
また、同じ車いすに乗っている小学生の男の子とかがペダルを頑張って回して突き進んでいる姿をみたりすると負けるわけにはいかないので、再び奮起してペダルを回し始めます。
ツレは張り合う気持ちは無いと思うのですが、私は張り合ってツレを巻き込みます。
そして、とうとう映え~ポイントが見えてきました。
ノリで始めて2キロ先まで自力で漕ぐことができました。
ウートフ徴候というやつでこの病気は体温が昂ると体が動かなくなるうえに、疲労を感じることもダメ。
やっちゃいけないことをやりまくってしまいました。
しかし、達成感があったし、2人で記念写真が撮れて嬉しかったですね。
帰りははツレがヘロヘロになっていたので、ペダルを私と職員さんが片側ずつ回して戻りました。
受付に戻ると普段ツレの担当をしている職員さんが血相を変えてやってきました。
「とりあえず!水分摂って!日陰に入って休もうか!」
さすが担当さんです。
きっと彼が付き添いの職員さんだったら2キロもハンドサイクルに乗せなかったと思いますね。
ツレの赤くなった顔を見て、2人で始めて京都の旅行に行ったときを思い出しました。
あの頃はまだ病気のことをまったく解っていなかったので、相当彼女に無理をさせてしまいました。
でも、病気のことを知ってても知らなくても結局同じことをさせてしまう私…。ツレよすまん…。
あの橋が映え〜ポイントでした