常に感謝をしていると人生が良い方向に進んでいく
五日市剛さんの本
「なぜ、感謝するとうまくいくのか」五日市剛著(マキノ出版)を読んでいます。
この中でイスラエルのおばあさんが言葉の大切さについて語っていたという話が出てきます。
その内容はしゃべった言葉には命が宿る。
だから汚い言葉、人を傷つける言葉はつかわないこと。
人は嫌なことがあると、嫌な気持ちになるのですが、そんなときはあえて「ありがとう」と言うのです。
逆に、いいことがあったら「感謝します」。
とにかくこのようになんにでも感謝していったら、運は必ず後からついてくるというものです。
愚直にそれを続けていると目の前の現実が望ましい方向に変わっていくのです。
さて実践です
宮島に行くフェリーに乗って、2階部分のバルコニーから頭を出して外を覗いていると目の前をヒュッと白いものが落下していきました。
唾でした。しばらくするともう1発唾が落ちてきました。
頭を出して見上げると高校生らしき男性がこちらを見下ろしてニヤッと笑っていたのです。
頭にカ~っと血が昇りました。
なんとか仕返しをしてやりたいと思ったのですが、こちらは社会人です。
下手なことはできません。
気持ちを落ち着かせるために私たちは大人しくバルコニーの反対方向へと移動しました。
それでも気が収まりません。
彼らは集団で来ており、引率の先生の様な人もいたので、先生にクレームを入れてやろうかと思いましたが、汚い言葉を発してしまいそうだったので、それも我慢しました。
そして、フェリーが宮島に到着し、ぞろぞろと乗船客が降りていく中で私たちの斜め前をその唾を垂らした奴らが歩いていたのです。
体も大きくなく、これなら負けないと思いました。
斜め前を歩いています。
手の届く距離です。
再び頭に血が昇り始めました。
それでも我慢です。
頭の中でこいつをボコボコにしてやりました。
その後あえて距離を置いて話題を逸らしてクールダウンです。
よく我慢したと思います。
人生が台無しになるところでした。
五日市さんの本に書いてあるのは、良いことがあれば「感謝します」で、悪いことがおきたときには「ありがとう」なのです。
唾が飛来してきて、見上げて高校生のガキと目が合ったときに「ありがとう」と言えば良かったのでしょう。
これが咄嗟に出てこないということはまだまだ修行が足りないということです。
最近、言葉が汚くなって、想いが以前に比べて暴力的になっている気がします。
これは良くない傾向です。
高校生をガキどもと言ったり、人のことを「こいつ」呼ばわりしたりと品がないし、頭の中で人をボコボコにする頻度が多いのです。
きっとストレスが溜まっているのでしょう。
その自覚があったので、五日市さんの本を読んだときにイスラエルのおばちゃんのエピソードが身に染みました。
私は感謝が少し足りないようです。
宮島観光に話が戻ります
宮島に千畳閣という大経堂があります。
正式には豊国神社と言うようです。
豊臣秀吉が戦没将士を慰霊するために建立したそうです。
↓千畳閣です
知り合いがこの千畳閣で大の字になって昼寝をすると気持ちが良いと教えてくれたので、ちょっと横になって涼みませんか?という話になりました。
千畳閣から見える景色も最高なうえにお堂内の雰囲気も趣があり、風の通りも良くて涼しいのです。
最高の環境で私はすぐに気に入りました。
お堂の隅っこに行って大の字になろうということで、荷物を置いて大の男が四人並んで横たわりました。
私はそのまえにいつもの瞑想をしようと思って、胡坐を組んで目を閉じて深呼吸を始めたのでした。
深呼吸は問題なくできたのですが、そのあとの周囲の音に耳を澄ませるところで集中がなかなかできずにうまくいきません。
雑念が入るとかではなく、心ここにあらずで耳を澄ませるという作業ができないのです。
「ちょっと!だめよ!なにやってんの!」
静寂を切り裂く、女性の声に目を開けると声の主がお客がやってはいけない注意事項の紙をもって、それを叩きながら何かを喚いているのです。
私はメガネを掛けていないのでその紙に何が書かれているか見えずに、なんのことを言っているのかよく解りませんでした。
「これよく見て!あんたたちダメよ!ここでやっちゃダメよ!」
皆慌てて起き上がろうとしていましたが、そのうちの1人のお友達が起き上がらずに横になったまま携帯電話のカメラを弄っていたので、それを見た女性が注意を続けます。
「これだけ言っているのに!ちょっとダメよ!」
私は横になることがダメなのか、カメラがダメなのかが解らなかったので聞き返してみました。
「カメラは別に良いのよ!横になったらダメ!」
横になったままだったお友達も流石に起き上がりました。
女性は周囲のお客さんにもやってはいけないことをアピールするために結構大きな声で注意をしてきました。
見せしめで私たちを吊し上げたわけですが、それが効率的とは言え、人の目があって恥ずかしいものです。
五日市さん風に対処すれば、こんなときこそ「ありがとう」なのでしょう。
しかし、「ありがとう」を言う前に、動揺してしまい、そそくさとこの場を私たちは逃げ出しました。
後日、千畳閣で大の字になったら気持ちが良いと言った知り合いを捕まえて、お蔭でとんでもない目にあったと吊し上げることにしました。
すると、その人も「気持ちが良い…」の後に女性が駆け寄ってきて強い剣幕で注意を受けたそうです。
おそらく同じ女性です。私たちには「気持ちが良い…」だけを伝えて「ただし…」は伝え忘れていたようで、最も肝心なことが抜けていました。
いい加減にしろと言いたいものです(言ったけどね)。